2007/02/13

ママサンダンプ,サビオ

前回取り上げたママサンダンプ。商品名がママサンダンプでなくてもママサンダンプと同じような形の雪押しは「ママさんダンプ」と呼ばれてしまってますが,これはメーカーにとっては知名度があって良いと判断するのか,それとも他のメーカーの商品も「ママさんダンプ」と呼ばれてしまうのは愉快でないと判断するのかどっちでしょうね。

同様に,北海道内で商標なのに一般名詞化してしまってるものにサビオがあります。サビオはスイスの会社の登録商標で日本国内ではライオンが販売していた救急絆創膏です。北海道の人はサビオでない他のメーカーの救急絆創膏もサビオと言う傾向があります。サビオはいつの間に販売終息していますが,それでもサビオという言葉は根強く残っています。販売されてないのでサビオのパッケージを目にする機会もないせいか,「サビヨ」と訛って言う人もいるようです。

救急絆創膏は全国的に商標が一般名詞化している傾向があるようで,地方・人によってカットバン,きずばん,バンドエイド,リバテープなどと呼んでいるようです。

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2007/02/11

雪はね,雪かき,雪投げ

前の冬はやたらと雪が振りましたが今年はそれとはまるで正反対。今年は暖冬で雪が少ないので除雪が楽です。今後も暖冬傾向が続くのでしょうか。地球温暖化で,しまいには除雪するほど雪が降らなくなるとしたら楽と言うより恐いものですが……。

さて,北海道では除雪することを雪はね雪かき雪投げなどと表現します。雪はねは雪をはねのけるイメージ,雪かきは雪を書き出すイメージ,雪投げは雪を「投げる」のではなくて「捨てる」ことで,邪魔な雪を追いやったり捨てに行ったりするイメージですが,これらの意味の差異はそれほど無いように思います。

除雪用具はスコップ丈のものをじょんばと言う人がいます。除雪用語に限らずスコップ丈のものはなんでもじょんばと言うようです。

雪がたくさん積もるところや広い場所の除雪には,雪をたくさん載せて両手で押して雪を除雪・移動することができるタイプの雪押しが活躍します。このうち雪を載せる部分が金属ではなくプラスチック製で軽量化されたものをよくママサンダンプと呼びますが,ママサンダンプはニラサワ製販(他)の登録商標なのです。このため,本来ママサンダンプと呼べるのはニラサワ製販製の雪押しだけなのです。

今冬はこれらの除雪用具は余り売れなかったようです。

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2007/02/09

MS ゴシック & MS 明朝 JIS2004対応フォント

『北海道方言辞書』日本語北海道方言を記述しているだけあって,サイトを立ち上げた当初から日本語はできるだけちゃんと表記しようと気を使っていました。ここで問題なのが漢字表記です。市販の紙に印刷された書物と同様の,できれば漢和辞典の字体で表記することを目指しているわけです。

このあたりのこだわりは,(Internet Explorerで閲覧した場合)例えば「く」ではなく「く」,「燭」ではなく「燭」(ろうそく),「」ではなく「」などと表記しているところに見て取れます*1

表示したい字形がコンピュータに用意されていないときは仕方なく近似の字形を使用していました。しかし,Windows Vistaや,Windows XP/2003用のJIS2004対応フォントによって自動的に,幾つかのフォントが紙の辞典と同じ字形で表示できるようになりました。使用するパソコンによって字形が違っているという問題もあるわけですが……。

JIS2004フォントのインストールによりJIS90フォントと字形の変わった箇所
オレンジ色部分の文字は,JIS2004フォントのインストールによりJIS90フォントと字形の変わった箇所

*1 この文の「」内の文字はコンピュータによっては正しく表示されない科も知れません。

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2007/02/07

そいや(ソイヤ)

そいやは祭で使われることがある掛け声。片仮名で「ソイヤ」と表記されることが多いです。

北海道ではYOSAKOIソーラン祭りのダンスで聴くことが多いと思います。他には一世風靡セピアの唄で聴くくらいでしょうか。私は,なぜYOSAKOIソーラン祭りで一世風靡セピアの掛け声を使うのだろうと思ってた時期もありましたが,後に元々「そいや」を使っている地域のお祭りが日本のあちこちにあることを知りました。

この「そいや」は何かと思いまして由来を調べて考えました。まず,「わっしょい,わっしょい,わっしょい,……」という掛け声から「わ」の子音wが脱落して,「わっしょいやっしょいやっしょい……」になり,「しょいやっ,しょいやっ,……」となり,最終的に「そいや,そいや,……」となったのではないかと。

「わっしょい」の「しょい」と「わっ」を単に入れ替えたものが由来とする説が多いのですが「わっしょい」は繰り返して発することの多い掛け声であることを考慮すると前述の説明が自然だと思うのです。

以上は「わっしょい」由来説ですが,アイヌ語由来説もあります。突き詰めて行くとそのアイヌ語というのが和語由来のアイヌ語かも知れないなんて展開になったり,アイヌ語や日本語の起源の問題にまで発展しそうな感じです。ちょっと調べた程度では手に負えなさそうです。

「そいや」が「わっしょい」由来だとしてもこの2つの語感は違うもので,「わっしょい」は力を込める感じが,「そいや」は調子付ける感じがしませんか?

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2007/02/06

指番号

昨日の関節の番号に引き続き,今日は指の番号について調べてみました。

日常、指の名前は番号で呼ぶことは余りないですが,解剖学や音楽では番号でよく呼ばれるようです。関節のときと違って番号で呼ぶと却って専門的雰囲気になるわけです。

一般呼称 解剖学用語 鍵盤楽器の指番号 弦楽器の指番号
0(開放弦)
親指 第1指 1 (なし)
人差し指 第2指 2 1
中指 第3指 3 2
薬指 第4指 4 3
小指 第5指 5 4

音楽ではピアノ等の鍵盤や弦をどの指で押さえるかを示すのに番号が使われます。鍵盤楽器の指番号は親指から1から5の番号を付けます。解剖学も鍵盤楽器と同じ番号付けです。一方,バイオリンやギター等の弦楽器は通常親指で弦を押さえることはないので人差し指から1~4の番号を付けます。弦を押さえないことを示すのに番号0を使います。ギターのように弦を指ではじく楽器の場合は,右手のどの指で弦を弾くかということを示す必要があるときは番号を使うと弦を押さえる指の番号と紛らわしいので親指から順にp,i,m,a,chの文字で表します。

鍵盤楽器と弦楽器とでは番号がずれているわけですが,両方を演奏できる人はこれで特に混乱することはありません。人の脳のすばらしいところです。

弦楽器と言ってもハープや琴は鍵盤楽器と同じ親指から1で始まる指番号です。そう言えばピアノは鍵盤楽器ですが構造上弦楽器とも言えますね。

なお解剖学には母指,示指,中指,薬指,小指という用語もあります。

ところで,右利きの人の場合パソコンのマウスの通常のクリック(左クリック)は人差し指で,右ボタンのクリックは中指で行いますよね。これを左手に持ち替えても難なくマウスが操作できますか? 両手でピアノ等の鍵盤楽器が弾ける人は左手でも混乱せずにマウス操作ができるのではないでしょうか。マウスの左ボタンをド,右ボタンをレだと思って,右手でも左手でもド,レと弾きたい場合を考えてみるとわかると思うのですが,実際はいかがなものでしょう。

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2007/02/05

第n関節

指の第n関節と言うときに,nは指先に近い方から1,2,3と数えるのか,それとも指の付根から1,2,3と数えるのか迷ってしまうことがあります。「指の第一関節だけ曲げられる?」なんて言ってるのは良く聞くので,指先から数えるのが正しそうですがもしかすると解剖学的・医学的には違うかもしれません。ということで調べてみました。

一般的な呼称解剖学用語
第1関節(親指) IP関節,指節間関節
(親指以外) DIP関節,遠位指節間関節
第2関節(親指) MP関節,中手(足)指節関節
(親指以外) PIP関節,近位指節間関節
第3関節(親指以外)MP関節,中手(足)指節関節

n関節のnは指先側から数えるのが一般的なようです。しかし,Web上には指の付根を第1関節し定義しているものもありました。

解剖学では第n関節とは言わないないようです。一般に第n関節と呼ばれているものに対応する解剖学用語は表のとおりです。指の付根の関節はMP関節,付根以外はIP(interphalangeal)関節と呼びます。親指以外にはIP関節は2つあるので区別する必要がある場合は付根に近いほうをPIP(proximal interphalangeal)関節,指先に近いほうをDIP(distal interphalangeal)関節と呼びます。

やはり専門用語は難しそうに見えますね。

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2007/02/04

名前のアクセント

先日の苗字のアクセントに引き続き,名前の中で共通語アクセントとは違う北海道式アクセントになることがあるものを何個か列挙してみました。こんにち,これらのアクセントは高齢者しか使わなくなっています。

太字がアクセントの高くなる部分です。

  • おる

共通語式のアクセントと比べると違和感ありまくりですが,北海道に来るとこのように呼ばれる可能性もあるってことで……。

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2007/01/31

むりくり

むりくりは「むりやり(無理矢理)」と同じ意味。北海道以外でも使われているようで,北海道弁と言えるかどうか微妙な感じがしたので,しばらく北海道語辞典から外してたことがあります。しかし,大辞林にも載ってない言葉なので最近再び北海道語辞典に収録しました。

「むりやり」を六理八理と宛てて,これの無理な度合を上げて六理九理というのができたのかなと思ったり。あるいは,むりやりの語源は「無理に遣る」だそうですが,無理にやり繰りするというような意味で「無理繰り」という言葉ができたのかなと想像してみたり。という具合にそれらしい語源をむりくりでも考えてみるのは面白いものです。

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2007/01/30

あおたん

あおたんは青いあざのこと。北海道語50選の筆頭語。

この「あおたん」の「たん」って何なのでしょう。すぐに思いつくのが「たんこぶ」の「たん」。これ以外は考えにくかったのですが,花札の「青短」から来ているという説もあります。実際のところ語源はよくわかりません。

「あおたん」の「たん」が「たんこぶ」の「たん」だったとして,「たんこぶ」の「たん」って何なのでしょう。いろいろ調べてみると,アイヌ語「タップコップ」由来説がありました。北海道には「タップコップ」の名が付いた山がいくつもありますが,大概円い山,こぶのように盛り上がった山のようです。Tapkopがタンコブとして日本語に取り入れられたようです。

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2007/01/29

ほっこり

1月2日にテレビ東京系で「日本縦断! 癒しの温泉ほっこり湯宿大賞」という番組をやっていました。細川ふみえさん&根本はるみさんが行った湯宿が大賞になってましたが,どこの湯宿に行ってたのかはすっかり忘れてしまってます。

さて,このほっこりという言葉。一度も使ったことが無い言葉なので,Web検索してみたら,はてなダイアリーのほっこりとはが引っかかったので見てみると,「基本的に『つかれた』という意味」と書いてあります。「ほっこり」はぽかぽかとまったりした感じだと思ってたので意外でした。「癒しの温泉ほっこり湯宿大賞」は温泉は癒されるけど湯宿はなんか疲れるってことになるのですからねえ。

後に,普通の辞典を引いてみたら「ほっこり」は「ぽかぽか温かい」というような意味でした。ほっこりを疲れるという意味で使うのは,はてなダイアリーのページにも書いてあるんですが,京都ローカルのようです。

京都の人に対して「温泉行ってほっこりしてきた」と言うと,温泉でのぼせたか湯冷めでもしたと思われるのでしょうか?

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2007/01/25

苗字のアクセント

苗字(名字・姓)の中で共通語アクセントとは違う北海道式アクセントになることがあるものをいくつか列挙してみました。太字がアクセントの高くなる部分です。アクセントが平板になるものにはを付けています。

  • しか
  • もと
  • おにし
  • えだ△
  • もと

3拍の姓の真ん中が高くなることが目立つのが特徴です。上記の苗字の人が北海道に来て上に示したようなアクセントで呼ばれたらきっと違和感を持つと思います。例えば,佐藤さんは砂糖になった気分にさせられます。

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2007/01/24

バイキ

バイキは後退、バックのこと。道民でも「バイキ」を聞いたことがないという人が多いことでしょう。

「バイキ」は「バック」(英語のback)由来だと思われます。昔はinkがインキと書かれたように,backがバッキになり,これが掛け声(後述)として言いやすいようにバイキになったのでしょうか。

「バイキ」は元々,東北から北海道における馬に「バックせよ」という命令の掛け声だったそうです。今でも(競走馬ではない)馬を飼っている人にとっては馴染みの言葉なのではと思います。

馬や牛に対する命令語をまとめたページがあるのでリンクしておきます。→全国牛(馬)言葉一覧表 ある地方で飼われた馬や牛が別の地方に移されて飼われると混乱しそうです。

ところで全国牛(馬)言葉を見て,童謡『きんたろう』の歌詞の「ハイシイドウドウ ハイドウドウ」って馬に対する命令の言葉だったんだねということがわかりました。今まで単に馬を調子付ける掛け声だと思ってたのですがちゃんと意味があったのですね。

きんたろう

作詞: 石原和三郎 (著作権消滅)

1. まさかりかついで きんたろう
くまにまたがり おうまのけいこ
ハイシイドウドウ ハイドウドウ
ハイシイドウドウ ハイドウドウ

2. あしがらやまの やまおくで
けだものあつめて すもうのけいこ
ハッケヨイヨイ ノコッタ
ハッケヨイヨイ ノコッタ

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2007/01/23

五十音制覇

1997年に始まった北海道方言辞書ですが,この中のコンテンツ「北海道語辞典」が五十音制覇しました。制覇したからいいってものでもないのですが,「あ」で始まる言葉,「い」で始まる言葉,……,「ん」で始まる言葉がもれなくあるよということになりました。この調子でいくと10年後は百音制覇するかも知れませんねえ

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2007/01/22

したっけ

したっけは軽い別れのあいさつ。

「したっけ」は共通語で言えば「(そう)したら」。親しい人と別れるとき共通語で「じゃあ(ね)」と言いますがこれと同じ感覚です。

上位ワードの割には道民誰でも使ってるような言葉ではありません。小・中・高校生がカッコ付けて使う以外に日常的に「したっけ」と言ってる人は少ないと思います。しかし,北海道弁で思いつく上位ワードらしいです。その理由として,1980年代に発売された「したっけラーメン」というインスタントラーメンの影響なんじゃないかと思ったのですがどんなものでしょうね。

したっけラーメンのCMはグラサンかけたホッキョクグマのキャラクターが歌ってるのが印象的でした。このせいで,「したっけ」に馴染みのない道民は,「したっけ」は不良っぽい人,あるいは今風に言えば「ちょいわる」系の人が使う言葉ってイメージを持ったかも知れません。

例えば,デビル佐々木さん*1の使う「したっけ」は名前が悪そうなせいかとてもさまになってます

*1 デビル佐々木は北海道で活躍のタレント。主な出演番組: HBCラジオ カーナビラジオ午後一番!

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2007/01/20

やむ

やむ(病む)は北海道では病気になっているという意味よりは,痛むという意味で使われることが多い言葉です。例: 「胃がやむ」「歯がやむ」。

「やむ」は突発的に起きた痛みよりは持続的な痛みによく使われるような気がします。たんすの角に小指をぶつけたときに「やむ!」と叫んだりはしませんが*1,このとき小指に怪我をしてじくじく痛み出すと「やむ」と言えます。

ところで先日,ためしてガッテンで頭痛薬がかえって頭痛を助長している場合があるというのをやっていました。頭がやんでるのをやんで欲しくて頭痛薬を飲んでるのに治らないなんてやんなっちゃいますね。

*1 こういうときは「痛む!」とも言いませんね。突発的な叫びは大概,動詞より形容詞を使いますね。「痛い!」,「熱い」,「危ない」のように。

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2007/01/19

ろくたら

ろくたらは北海道弁で「ろくな」の意味。

ろくたらもんでないなあ。」 「ろくたらもんが売ってなかった。」のように使います。「ろくだら」と濁ることもあるようです。

「ろくたら」や共通語の「ろくな」の「ろく」とは何なのか気になったので大辞林調べましたら,原義は「水平なさま」とのことです。これが「きちんとしている」,「正常である」という意味に派生したようです。

「ろく」は漢字で書くと本来「陸」ですが「碌」と当て字されることが多いようです。

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2007/01/13

自校

自校とは自動車学校の略。今日,道内で自動車学校を自校と略している例が見つけたので,北海道語辞典に自校を載せました。

自校というと「自分の学校」と紛らわしいような気もしますがどんなものでしょう。

自学・車校も参照してください。

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2007/01/12

さつえき(札駅)

さつえきとはJR札幌駅のこと。札幌駅は交通の拠点としての単なる駅ではなくショッピングモールとしてもよく利用されるようになり,短く略されるようになったのでしょう。秋葉原が「あきば」と略されるようになったように。

「さつえき」のアクセントは平板。

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2007/01/11

さぶろく

さぶろくとは,国道36号線のこと。交通量が多い。恵庭から終点室蘭までの長い区間には,トイレのある駐車公園や道の駅がないのが難点(コンビニはあります)。

さて,36や3×6を「さぶろく」と言うのは広く様々な分野で行われるようです。ちょっと検索しただけでも次のような例がありました。

  • 九九の3×6
  • 労働基準法第36条(36協定)
  • 畳,舞台の平台,合板(コンパネ)等のサイズ。3尺×6尺
  • 長さ3尺6寸
  • スリーシックスティー(360°)。スノーボードやサーフィンの技
  • 2つのさいころで3と6の目が出ること
  • 36枚撮りフィルム
  • 昭和36年
  • 織機や織物の幅が36インチ
  • 自動車エンジンの排気量。360cc
  • タイルの大きさ。3寸6分

挙げればきりがなさそう。単に「さぶろく」と言えばその筋の人には何のことかわかるという業界用語っぽいのが多いようです。

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2007/01/10

挨拶(あいさつ)

※この記事は2006-03-08 23:25:01の記事の再録です。

北海道弁特有の挨拶と言えば,夕方から夜の挨拶の「おばんです」と別れの挨拶の「したっけ」ぐらいでしょうか。

「したっけ」はくだけた挨拶で共通語で言うなら「あばよ」,「じゃあな」という感じです。1980年代に流行った言葉ですが,現在は使われるのはまれです。

「おばんです」は現在でも広く使われおり,北海道の言葉として定着しています。丁寧に「おばんでございます」と言うこともあります。

北海道では挨拶を過去形で言うことがあります。例えば,「おはようございます」を「おはようございました」,「おばんです」を「おばんでした」と言うことがあります。この過去形は,北海道の人が電話で自分の名前を名乗るときに「山田でした」と過去形にすることがあるのと同じような感覚なのでしょう。

北海道方言辞書の下記の項目も参照してください。

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中日本

※この記事は 2005-10-13 00:15:47の記事の再録です。

日本道路公団が分割民営化されてできた会社の1つに中日本高速道路株式会社があります。この会社名にある「中日本」ってほとんど聞かない言葉だなと思ってるのですが,検索サイトで中日本を検索してみると結構ヒットして意外でした。ただ,ヒットした内容は会社名が多いようで,やはり一般的な言葉ではないのかなという感じがします。

中日本よりはるかに一般的な言葉だと思っていた「中部日本」。これを検索してみると中日本のヒット数とさして変わらずでこれも意外でした。

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ふっくりんこ

※この記事は2005-10-11 21:13:36の記事の再録です。

道産米と言えば,道外のコシヒカリ,ササニシキのような銘柄米と比べてしまうとどうも今一という印象があります。

道南で栽培され話題になっている銘柄が“ふっくりんこ”。キタヒカリ,ゆきひかり,きらら397,ほしのゆめ,ふっくりんことおいしい品種がつくられてきましたが,この調子で行くと道外の有名銘柄に匹敵する品種ができるかも知れませんね。それとも,ふっくりんこはすでに匹敵しているでしょうか。かなり評判が良いようですし。実際に早く食べて確かめてみたいです。

本日,ふっくりんこを北海道語辞典に加えました。

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さる

※この記事は2005-10-09 20:49:35の記事の再録です。

北海道に野生のさるはいません。そのかわり,言葉の中で幅を利かせているさるがいます。

北海道弁50選に載るほどのさるという助動詞。簡単に言えば自発・可能の助動詞なのですが,実際この単語の意味・解説を50選に書いてみると頭の中がとてもこんがらがってしまいました。そこで「さる」と似た表現と意味比較してみたいと思います。

例として「食べらさる」「押ささる」とこれに似た表現を考えてみます。

食べれる 〔可能〕食べることができる。これはら抜き言葉ですが北海道弁としては自然な表現です。

食べられる 〔受け身〕(誰かが)食べてしまう。

食べらさる 〔自発〕自然に食べることができてしまう。勝手に食べさせられる感じ。

押せる 〔可能〕押すことができる。

押ささる 〔自発〕自然に押してしまう。勝手に押されてしまう。押せば押したことになる。

押せない 押すことができない。

押ささらない 押しても押したことにならない。

こう書いてみるとなんとなく整理がついてきたような気がします。

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自学・車校

この記事は2005-10-08 22:00:55の記事の再録です。

自動車学校を略してなんと言いますか? 北海道では自学と略すことが多く,自動車学校の送迎バスにも「○○自学」と書いてあったりします。

全国的に見ると,車校というところが多いようです。自校・車学という略しかたもあるようでこうなると何でもありですね。

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北海道弁50選

※この記事は2005-10-07 20:30:51の記事の再録です。

10月6日,北海道弁50選のページをアップしました。何ページもある北海道方言辞書の中から独断で,北海道民のほとんどが知っていて代表的・重要と思われる北海道弁の言葉を50語選びました。北海道弁にはどんな言葉があるかざっとのぞいてみるには便利かと思います。

言葉の解説は北海道語辞典本文とはあえて変えてみました。

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ブログはじめました

※この記事は2005-10-07 01:31:14の記事の再録です。

北海道方言辞書を管理してますあかりんごがブログをやってみることにしました。

今日は,北海道方言辞書のサイトと余り配色が違わないようにブログのデザインを変えてみただけでもうこんな時間(午前1:30)になってしまいました。

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プログ移転・再開

このたび,プログサイトをココログに移転し,事情によりしばらく放置していたブログを再開しました。筆不精なので放置気味になるかも知れませんが,どうぞよろしく。

「ほくほぐ」というのはhokkaido hogenを略したhokhogのことです。

移転前のブログサイトの内容は,記事が8つしかないので全部こちらにも転記しておきます。

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